先日NHKスペシャル「100年の難問は何故解けたのか。天才数学者謎の失踪」を見た。とても興味深い内容だった。

 宇宙に果てはあるのか?宇宙はどのような形をしているのか?誰もが興味を抱く命題。これを解く鍵になるものに「ポアンカレ予想」というものがあるらしい。

 これは、ニュートンやダヴィンチとともに知の巨人と称されるアンリ・ポアンカレが1904年に発表されたもので「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」という内容。私にはチンプンカンプンの話。

 テレビではそれをわかりやすく説明していた。つまり、ロケットに紐をつけて宇宙に飛ばして、そのロケットが宇宙を1周して戻ってきた場合、その二つの紐を引っ張って全て回収できた場合は、宇宙は球体をしているというもの。回収できなかった場合は、宇宙はドーナツ状等の形をしていて紐が引っかかって回収できないと考えるとのこと。(多分こういっていたと思いますが、間違ってるかも。)

 で、このポアンカレ予想を証明しようとこの100年の間に数多くの天才数学者が自分の人生全てをかけ挑んだけれども、誰も証明することが出来なく、敗れ去ってしまった。

 それをグリゴリ・ペレリマンという人が証明した。去年その業績をたたえ、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まった。賞金100万ドルとともに。(フィールズ賞はノーベル賞よりすごいとも言われているらしい)

 しかし、ペレリマンは受賞を拒否し、栄誉もお金も捨て、勤めていた研究所を辞め、失踪した。何故か?

 占術の観点から、少し考察してみたい。

 彼は1966年生まれ。65年〜66年生まれは天王星と冥王星が会合している時期で破壊と新しい改革・創造という大きなキーワードを持っている世代。これと出生の太陽が刑。

 彼がアメリカに渡ったのが1992年。性格は明るく、同僚ともよく飲みに出かけていたらしい。しかし、2〜3年後になるとそれが一変。人付き合いをやめ、明るかった性格はなくなり、一人研究室に閉じこもるようになった。3年後の1995年といえば射手に冥王星が入り、三刑を徐々に形成しいくようになった時。大きな挫折を経験していく。太陽に対する冥王星の沖は限界をこえての要求に極限まで彼が挑んでいたことを表している。そして2003年には、天王星が双魚に入り、大四角を形成していく。さらに大きな試練を彼を襲う。この大四角は変動星座で起きているため、何度も何度も葛藤が繰り返されたことだろう。そして失踪という道を彼はとっていく。

 過去の数学者たちは、ポアンカレ予想によって生まれたトポロジーという新しい数学によってポアンカレ予想を証明しようとしてきた。しかし、彼はもう古いといわれた微分幾何学と高校時代得意であった物理学によってそれを証明して見せた。トポロジーをもって証明しようとしていた数学者は彼に証明されてしまったショックと彼の言っていることがまったくわからない二重のショックがあったという。

 彼はまさに、冥王星と天王星の破壊と再創造をここでやって見せた。

 この世代で、世界的に名が知れている人を私は知らない。これは、冥王星と天王星という特殊な会合による気がする。まして今、それに冥王星が刑をつくっている。

 来年、1月の終わりに冥王星が摩羯に移る。ペレリマンもまた、徐々に復活してくるのではないだろうか?

 彼の命盤をみるに彼にもし、愛する家族がいたなら失踪することはなかっただろう。

 天才数学者ペレリマンの今後に注目したい。