先日、巨人の桑田が巨人を今シーズン限りで退団することを発表した。通算成績は173勝である。これを思うとすごく寂しい気がしてならない。

 桑田と清原の登場は華々しかった。当時高校1年生であった二人はPL学園の投手と4番打者という形で夏の甲子園に初お目見えする。その時、注目されていたのが水野率いる池田高校である。夏・春・夏の3連覇がかかっていたのである。絶対的強さを誇る池田高校の優勝を誰もが予想していたのだ。水野がいて主砲江上がいたのだ。池田高校の優位は揺るがない。

しかし、その年は高校球界にとって優秀な人材が他にも存在した。横浜商の三浦、中京の野中、享栄の藤王などスター選手が勢ぞろいしていた。

そんなライバルを相手にしても池田高校が優勝すると思われていた。ところがである準決勝異変が起きるのである。池田がPLの1年生コンビにいいようにやられるのである。見ているほうはもう皆呆然である。水野は打たれる、江上は抑えられるのである。その1年生こそが桑田と清原なのである。池田はPLに負けたというよりはこの二人にやられたのである。たかが、1年生にである。そして、決勝で横浜商の三浦を破り、PLは優勝した。

1983年の夏の甲子園で活躍した高校3年生は粒そろいのスターそろいであったことは間違いない。それ以降、これだけのスターを輩出した年が果たしてあるのだろうか?一人や二人でる時はあってもまとめてはこの時が最高だったような気がする。甲子園が終わった後、皆でスポーツ番組に出演して今後の抱負や趣味などを対談さえしたのだ。そんな世代他にあるだろうか?少なくとも記憶にない。その優秀でスター性のある先輩たちを桑田・清原は一網打尽にぶ倒したのである。実力もスター性においても、まさに天才桑田と天才清原の誕生であった。

その後、プロになり1年目から二人とも高卒とは思えない活躍をしていく。しかしである。年々、その活躍する度合いが衰えていった。気づいてみれば、桑田はまだ200勝にいかない173勝。清原は2000本安打は達成し、ホームランは落合を抜いて歴代5位の514本(昨シーズンまで)。

何かがおかしくないだろうか?並の選手ならば大した成績である。しかし、天才・桑田ならば当に200勝は超えて300勝となっていてもおかしくない。天才・清原ならば王貞治の868本の世界記録を抜いていてもおかしくない。また、二人ともメジャーで大活躍していてもおかしくないのである。何故だろうか?

命理至上主義の人はそれはもう決まっていたというだろう。ならば、なぜ入団当時それを言わなかったのだろう。

私の結論はこう。詳しくは言わないが、彼らは他のところで運を使いすぎたのだ。その一点につきるだろう。でなければ、彼ら二人は間違いなく偉大なるプレーヤーとしてメジャーにおいても名を馳せたことだろう。残念でならない。

彼らにはこれからもがんばってもらい桑田は200勝、清原は700本塁打をぜひ達成してほしい。がんばれ桑田、がんばれ清原。