「不得真龍得年月、也応富貴旺人家」
地理風水界の大巨人・楊均松祖師の言葉とされているものです。
ここを以って、台湾香港の択日家(地理風水の中の択日のみを行なう人たち)は、択日こそ人の運命を変えることが出来る。龍穴などいらないと言われるわけです。
かつて、これは本当に楊均松祖師が語った言葉なのだろうかと調べたことがあります。すると、面白いことにある版本には、この言葉を含む四段くらいが書かれており、ある版本にはその四段がなかったりとまちまちなのです。
結論から言えば、おそらくこれは楊均松祖師の言葉ではないであろうと私は思っています。もし、この言葉が真実なら、わざわざ楊均松祖師は、山を駆け巡り大龍穴の地を探し求めなくて良かったはずです。
今のように車はありませんから、山に行くのにも相当な苦労です。
それも一朝一夕に出来るものではありません。明師について最低尋龍三年点穴十年かかるのです。それも、そこで終わりでなく、ここからが本当の意味でのスタートです。
そうはいっても、「不得真龍〜」の言葉。これを択日ではなく、理気。それも陽宅に置き換えてしまえば、これは正しい言葉になるというのもまた事実です。
地理風水の世界において、技法や書物に楊均松という言葉が使われ、あたかも楊均松祖師が作ったかのように言われますが、ほとんど全て、後世の人が勝手に名前をつけたに過ぎません。本物は、ごくごくわずかでしょう。
最後に、もう一人の大巨人・蔣大鴻祖師の言葉を紹介します。
「巒頭不佳、理気不合、天星亦無用。巒頭本也、理気末也、天星末之又末也」。