五行易。最近は、断易という言葉でなく、五行易という言葉を好んで私は使っています。五行易は日本で生まれた名称であり、近年台湾・香港においても、多くの人がこの名称を使うようになったからです。
この五行易を行なう人が必ず読まなければならない重要な古典が2冊あります。
「卜筮正宗」と「増刪卜易」です。わかりやすく違いを言えば、前者は卦理を重視し、後者は卦例を重視しています。どちらも重要です。
台湾や香港では、「卜筮正宗」から入って、「増刪卜易」をやりながら、老師の秘伝を教えてもらうといった感じです。老師の秘伝は重要です。
「卜筮正宗」は王洪緒という人が書いたものですが、その書末にある「十八問答」は、この書の精華であると言われています。しかし、この「十八問答」が中々の曲者なのです。その為、老師よりの指点が必要となってきます。
ちょっと違いますが、一つ例をあげます。
第九問 用神不現に次のような占例が載っています。
占的 父の病
卯月丙辰日 空亡子・丑
得卦地雷復
子孫酉金 ‐ ‐
妻財亥水 ‐ ‐
兄弟丑土 ‐ ‐ 応
兄弟辰土 ‐ ‐
官鬼寅木 ‐ ‐ 伏父母巳火
妻財子水 ―‐ 世
断曰…巳火父母伏於二爻寅木之下。飛来生伏。伏遇長生。許次日愈。果験。
簡単に言えば、次の日に父の病は治ります。そして、それは当たったとなっています。
この「十八問答」を解説した本が台湾や香港にありますが、飛神が生じるからとか、長生だから次の日に治ったとなっています。
しかし、実際には、この父親は11月に亡くなっています。
用神が伏神の時に、考えなければならない問題ですね。
王洪緒が事実を知りながら、何故、この例を載せたのか?その意図することは、わかりません。しかし、「卜筮正宗」が重要な古典であることに間違いはありません。