「陛下のやさしさに皇后の慈悲に皇太子の覚悟に雅子妃の苦悩に昭和天皇の強さにきっとあなたは感動する」
手に取った本の帯にそう書いてありました。
その文章に惹かれ思わず買ってしまったのが「天皇論」小林よしのり著。
古来より、天皇の最も重要な務めは、祭祀を行なうこと。
天皇は祭祀王であり、「公」の存在であり、そこに「私」はなく、ただ、ひたすらに民の安寧のために祈る。それが天皇の務めと説いています。
どんな時であっても、自分のことよりも、民のことを案じておられる、そんなエピソードが紹介されています。
雨の日が多く続いた昭和63年の秋、昭和天皇は大量の吐血をされ大変危険な状態にありました。そんな折、お見舞いにあがった宮内庁長官に次のようにおっしゃった。「雨が続いているが、稲の方はどうか?」と。
また、今上天皇の障害者支援の話、バンザイクリフに訪れた時の話、沖縄を訪問された時の話など。数多く書かれています。
皇居で最も重要な神聖な場所。宮中三殿に携わる女性についての話も興味深いものでした。
日常生活において、「清」(清浄なもの)と「次」(穢れたもの)の区別が厳格に行われていて、例えば、鶏肉以外の肉類や乳製品は食べてはいけない。身体の下半身や履物、財布、外から来た郵便物などを触れると手が「次」になるため、直ちに水か塩で清めなければならない。生理は「まけ」といって最も穢れであり、御用は遠慮して1週間着物や箸まで「まけ」専用のものを使う、などです。
厳しい生活を送って、神に仕えている。だからこそ、聖域は守られているのであり、そこには本物を感じます。
小学生の時に、読んだ漫画「東大一直線」は下品で大嫌いで、毎週そのページは飛ばしていました。それが「台湾論」に続き「天皇論」を読んで大きく変わりました。
小林氏が参考文献に使った本の数を数えたら、100冊近くありました。天皇とは何か?それを正しく認識するのにとても良い1冊だと思います。皆さんも読んでみて下さい。
「世をまさり 民やすかれと 祈るこそ
我が身につきぬ 思ひなりけれ」 後醍醐天皇
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